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ぼくたちのために(科学絵本)

僕たちのために
授業を始めます
今日は、君たちにとって危ないものについて、説明します。まずはエタノールからです。
アルコールと呼ばれるエタノールは、君たちにとってとても危険です。この部分が君たちの周りを囲う壁を壊してしまいます。
Don't touch! だから体の周りに壁があるタイプはアルコールに近づかないようにしましょう。触りたくなるタイプの子は絶滅しちゃいますよ!
次は次亜塩素酸です。こいつは周りに壁があるタイプにもないタイプにも危険なものです。こいつは恐ろしい手を持っています。
この手は僕たちの体が粉々にならずに一つの形になるようにくっつけている力(電子の力)を奪い取っていきます。だから体が粉々になってしまいますよ!
こいつらは体の周りの壁も通り抜けてくるのです。なので、近付かないようにしましょう。
君たちを倒そうとする 奴らにも次亜塩素酸は毒なので空気中は安全です。ドアノブや机は、よく消毒されるから危険です。一方で、椅子の背もたれは危険も少なく、奴らの手に移りやすいです。
さて、そんな奴らを拠点に、君たちは仲間を増やすことになります。やつらの手について、口から体内に入り、自分たちのコピーを作っていくんです。
そのコピーはたまに失敗します。こうげきタイプや平和タイプです。失敗した結果できた仲間は、うまく生き残れないこともありますが、場所によっては、それが生き残る上で有利な場合もあります。
例えば、こうげきタイプは拠点となる奴らがたくさんいて、対策が十分じゃない地域では、次々と拠点を増やせます。
でも、しっかり対策が取られている地域では、こうげきしすぎると奴らも警戒し、薬という武器を使って反撃してきますので、なかなか拠点は増やせなくなります。
平和タイプは奴らに攻撃をしないです。だから奴らも困らないから攻撃して来ないです。むしろやつらの健康に良い存在になる可能性だってあるんです。その場合は、米や小麦のようにやつらの手で仲間が増やされていくなんてこともあります。納豆菌とかビフィズス菌とかがそんなタイプです。
どんなタイプが優れていて劣っていてということはなくて、それぞれが長所を持っていて、場所によって仲間を増やしやすくなったり増やしにくくなったりです。なので、君たちが仲間を作る時、別のタイプができても、それを受け入れてあげてください。ただ、先生の願いを言えば、私は「奴ら」の一人、人間なので平和タイプの仲間をどんどん増やしてほしいと思っています。それが、僕たちのため になると思うのです。以上、授業を終わります。
この授業は終了しました。おしまい
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