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光の不思議
今日は、「光にわくわく」でも描こうとした光の不思議のお話。
科学絵本 「光にわくわく」
光は波!
光は、音と同じで、波です。
波は、波長=速度/周波数という関係からなる、「波長」、「速度」、「周波数」の三つの変数を持っています。二つが定まると、残り一つが決まるわけです。
繰り返しになりますが、光は波ですので、「波長」、「速度」、「周波数」の三つの変数を持っています。そして、光の速度は約3.0x10^8m/sと分かっています。
そのため、ある光を特徴付けるのは、その光の波長(または周波数)です。(波長が決まれば、周波数も一意に定まります。)
その波長の長さの違いで光の性質が変わってきます。例えば、人間の目に見える可視光と目に見えない光の違いは波長です。目に見える範囲の波長があるわけです。そして、可視光も、波長の違いによって人間の目には色の違いを感じます。
だいたい
350nm〜750nmくらいの波長が人間に見える可視光だったはずです。
波長の短い方が紫色に見え、波長の長い方が赤色に見えます。
そして、見える限界の両外側をそれぞれ
紫外線、赤外線
と呼びます。
波長が短い方が周波数が高く、周波数が高いとエネルギーが大きいので、
皮膚に当たると皮膚を構成する分子にダメージを与えます。
これが、紫外線が肌に悪い理由です。
また、温度を持つものは必ず光を出しています。
これは可視光に限りません。
太陽ほどの温度ですと、まさに可視光の光を出しており、人間の目には太陽が光っているように見えます。(これは偶然ではなく必然です。太陽があって、太陽の温度が出す光があって、その太陽光に感度がある目が発達した、という順序です。)
人間の体温(36度くらい)ですと赤外線が出てます。
自動ドアとかはその赤外線を探知して開く仕組みになってるものが多いと思います。
光の色と目
さて、人間の目の神経(視神経)には、赤、緑、青の三色の波長に感度を持つ3種類があります。
この3つの視神経が興奮する割合で、赤、緑、青以外の色も判断しています。
なので、例えば紫色。
350nmくらいの光をピークに他の波長も含む光のスペクトルがあった時、
人間はもちろんそれを紫と感じます。

また、青と赤を混ぜると紫になりますよね。
ということは、450nmくらい(青)の光と650nmくらい(赤)の光が同時に目に入って来ても、人間は紫と感じます。

全く違う光の波長割合でも、どちらも人間の目では紫と判断するのです。
これはおそらく、赤、緑、青に反応する視神経が反応する割合が、単純な紫を見た場合と、赤と青の混合を見た場合で一緒なのでしょう。。ただ感覚的には、不思議でなりません。
色の名前
そもそも、色に名前をつけて他人と色の共有を行なっている私たちですが、
他人は同じ色を見ているのでしょうか。
他人がどう色を見ているのか、誰にもわかりません。
人が色を感じる意識は「現象的意識」という部分だからです。
人が違う色(例えば赤と青)だと感じる2つのものを、同じ色だという人(赤も青も同じ色だという人)がいれば、それは視神経や脳に問題があって、色盲なんだとわかります。
しかし、全部の色を正しく違う色だと判断できている人同士が、実は見ている色の感覚が全然違う、ということがあっても誰にもわかりません。
いっそのこと、色に名前をつけず、波長の数字で呼べば、みんなで共有が確実になるでしょうが、なんの人間味も無くなってしまいますね。。
色って不思議。光って不思議。
っていう話でした。
おしまい