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高温超伝導研究に光明(科学絵本)

室温での物質内の電子

 ある家の中に住んでいる電子たち。

​10℃の状態では、電子たちは動き回ったり、静かに落ち着いていたり、と自由に過ごしています。

氷点下10度での電子

 マイナス10℃の状態でも、少し落ち着く電子は増えますが、まだまだ動き回る電子もいます。

 実は電子たちにとっては、マイナス10℃はかなりの高温です。

​一番低い温度は約マイナス273℃なので、まだまだ下があります。

高温超伝導での電子

 それでは一気にマイナス210℃の様子を見てみましょう。

この家では、マイナス210℃で電子たちがペアを作り出しました。

 しかし、電子たちのウワサ話によると、多くのほかの家では、マイナス270℃くらいにならないと電子たちはペアになりはじめないそうです。​なので、マイナス210℃というかなりの高温でペアを組み始める特別ルールの家に住んでいる電子たちなのです。

 この特別ルールの家に住んでいるために、​電子たちに不幸が訪れようとしています。。

マイスナー効果で浮く金属

 ある日、人間のハカセが、この特別なルールの家を発見してしまったのです。

​ 家の中にいる電子たちがペアを組んで落ち着くと、磁石の上で家が浮くことをハカセが発見し、特に特別ルールの家では、マイナス210℃という高温で浮くことを見つけたのです。

なぜ高温超伝導になるのか。

 この電子たちがペアを組んだ家は、ただ浮くだけでなく、電気をとても流しやすい家となっています。そのため、人間たちの生活に役立つ効果を持っています。しかし、マイナス270℃まで冷やすのはとてもたいへんです。。。

 そこで、ハカセはマイナス210℃で浮く状態になる特別ルールの家のなかの電子の様子を見てみることにしました。

光電効果で内部を見る

 ハカセは、家に光を当てて、中に住む電子を家から飛び出させ、その電子の取り調べをする、とても高性能の装置を開発しました。

光電効果で内部の電子を飛び出させる

 そして、ハカセは、特別な家をマイナス210℃まで冷やして、電子たちをペアにさせたところに、開発した装置を使って光を当てて、電子を家から飛び出させて取り調べをはじめたのです。

常温超伝導を目指して、、、

 ハカセの取り調べはこれからもしばらく続くでしょう。

なぜ特別な家では特別に高温で電子がペアになるのか。。。

それが分かるまではハカセは特別な家から電子を出しては取り調べをし、出しては取り調べをし、を繰り返すことでしょう。

 最終的には、ハカセは0℃や20℃でも浮くような家を作りたいと思っています。

 人間社会​でも、温度を下げるために使うヘリウムが足りないという問題が起きていて、ハカセはこの問題の解決のためにも、取り調べを続けていくのです。

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